潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎とは、腸に炎症を起こす病気である「炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)」の1つです。

潰瘍性大腸炎の病態

大腸粘膜に全層性の炎症ができることでびらんや潰瘍ができます。直腸から口側に向かって連続して広がっていく特徴があります。遺伝的背景、免疫異常、環境因子、腸内細菌叢などが複雑に絡みあい発症すると言われています。

原因が明確になっていないため長期間の治療が必要な慢性の病気であり日本では指定難病のひとつに定められており、医療費助成の対象になっています。

    主に10台後半~30代前半で発症することが多いですが、50歳以上での発症もあります。直腸から口側へ連続性、前周性に伸展します。
    病変の範囲から①全結腸型、②左側大腸炎型、③直腸炎型、④右側あるいは区域性大腸炎に分類されます。

    腹痛、下痢、粘血便、発熱などを認め、再燃と寛解を繰り返しながら経過(原因不明であり、治癒とは言わず寛解という)。
    重症になるにつれて貧血や体重減少や発熱がみられるようになります。発症から長期間経過した場合に大腸がん発症リスクがあることがわかっています。
    時に様々な腸管外合併症(眼病変、口内炎、関節炎、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、強直性脊椎炎、尿路腎結石、肝胆膵病変、骨粗鬆症など)が出現することがあります。


    診断

    腹痛、下痢、粘血便などの臨床症状に、大腸内視鏡検査で塑造粘膜や多発びらん、潰瘍所見を直腸から口側にかけて連続性に認めます。
    組織生検結果で粘膜全層のびまん性炎症浸潤、陰窩膿瘍、高度な杯細胞減少などの所見を認めて、感染性腸炎を除外できれば診断となります。

    治療

    完治しないため重症度や罹患範囲、生活の質を考慮して治療を検討していくことが原則となります。
    活動期には重症度に応じた寛解導入療法を行い、寛解後は維持療法を継続します。

    使用薬剤としては5ASA製剤の内服や坐薬、注腸剤が基本的に用いられます。
    炎症が高度な場合はステロイド製剤を使用します。維持療法の際にはアザチオプリンや6-メルカプトプリンといった免疫抑制剤を使用することがあります。

    治療抵抗性の場合は血球除去療法やタクロリムス内服、各種生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、べドリズマブ、フィルゴチニブ)を使用。


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