急性膵炎とは?
膵臓の働きは主に、内分泌機能と外分泌機能の二つの役割にわかれます。
膵炎とはこの外分泌の際に分泌される消化酵素がなんらかの原因で病的に分泌されることで、膵臓自身と周囲の組織を消化してしまい炎症を起こす疾患です。
内分泌とは
血糖値を調節するホルモンであるインスリンやグルカゴンを産生する役割です。
外分泌とは
食事を消化吸収するための消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン)の分泌を担っています。
原因
急性膵炎の原因のほとんどはアルコール多飲、胆石です。
このほか暴飲暴食(高中性脂肪)、脱水、薬剤性、自己免疫性、ERCP処置後膵炎、膵胆管合流異常、原因不明のものがあげられます。
患者は女性より男性のほうが多く、男性ではアルコール性膵炎が多く、女性では胆石性膵炎が多くみられます。
症状
膵炎の痛みは上腹部の重度の腹痛です。胃の背面に位置するため背面に痛みを感じることもあります。
急性膵炎が胆石が原因になっている場合は痛みは突然始まります。アルコールの場合は数日かけて発症することが多いようです。
いずれの場合も激しい痛みが特徴です。そのほかには、悪心、嘔吐、背部痛、食欲不振、発熱、腹部膨満感があり、前かがみになると腹痛が軽減する傾向にあります。
検査
強い上腹部痛があり問診から急性膵炎が疑われる場合は血液検査で膵酵素の上昇がないか確認します。
腹部エコーやCTで膵臓が腫れていないかどうかや、胆石が原因になっていないかどうか、炎症の広がりがどの程度かなどを調べます。
治療
膵炎と診断された場合は…
重症度にかかわらず原則入院での絶食、腹部安静、持続点滴による治療が必要になります。
重症急性膵炎は約20%程度でみられ、致死率は約6%と言われています。治療は発症初期の適切な点滴治療が重要とされています。
また、慢性膵炎に3~15%移行するといわれています。
胆石性膵炎の場合は…
結石を除去するために胃カメラでの緊急内視鏡治療が必要になることがあります。また、膵炎の原因が胆石であった場合は今後再発する可能性があるので、胆のう摘出手術の適応になります
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