機能性ディスペプシアとは?
機能性ディスペプシアとは内視鏡検査(胃カメラ)で症状の原因になるような所見(潰瘍、胃炎、癌など)がないにもかかわらず、心窩部痛(みぞおちの痛み)、食後の胃もたれや食後膨満感など上腹部を中心とした不快な症状を訴える病気です。
胃の粘膜は綺麗で問題がなくても胃の動きや働きに問題があることがあります。
ディスペプシア(dyspepsia)はギリシャ語に由来し、dys(悪い)+ pepsia(消化)で消化不良を意味します。このような症状は少し前までは慢性胃炎や神経性胃炎などという病名で診断されていました。
現在、慢性胃炎はピロリ菌が関与している病態のことを指すことが多くなりました。
機能性ディスペプシアになる原因は?
以下のいくつかの症状が絡み合って発症していることがおおく、原因を特定することは簡単ではありません。
① 胃腸の動きの問題
胃の動きやリズムが崩れている場合に症状が出現します。
② 胃腸の知覚過敏
胃は通常は膨らんだり縮んだりしますが、症状はありません。胃が敏感な人は伸展や拡張などの動きに伴い、症状が出現します。
③ 胃酸の過剰分泌
胃酸過多により症状が出現。
④ ストレス
ストレスや過労により自律神経のバランスが崩れることにより発症することがあります。
⑤ ピロリ菌関連FD
ピロリ菌の除菌で改善することがあります。
⑥ 感染性胃腸炎
腸炎の後に何らかの原因で発症することがあります。
⑦ 生活習慣
アルコールや喫煙、不眠などが関与しています。
症状
- 胃もたれ、痛み
- みぞおちの灼熱感
- 胸やけ
- 食べてすぐにお腹が張る
上記の症状がたくさん当てはまる場合は機能性ディスペプシアの可能性があります。
また上記症状で受診される患者さんの半数近くが実は機能性ディスペプシアであったいうことがわかっています
診断・治療
- ① まずは現状の確認をしていきます。
- 症状や生活習慣、内服薬などの確認をします。
- ② 胃カメラによる確認
- 機能性ディスペプシアが疑われる場合は、食道や胃といった上部消化管に器質的な異常がないかどうかを確認するために胃カメラを行います。
上腹部やみぞおちの痛みがある場合はそのほか膵臓癌や膵炎、胆石などによる症状を除外するために血液検査や腹部エコー検査も行うことがあります。これらの検査で特に問題がなければ、胃の機能的な異常の可能性を考えます
- ③ 治療開始
- 生活習慣や食生活の改善に加えて症状にあわせて、
①消化管機能改善薬
②酸分泌抑制薬
③抗うつ薬・抗不安薬
④漢方薬
などを処方します。
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