肝機能障害とは?
日本人間ドック学会によると、人間ドック受診者の約3割が肝機能異常を指摘されていると報告されています。
肝機能障害とは肝細胞になんらかの障害をうけて炎症が起こり、細胞が破壊されることによって異常が起こり、ASTやALTといった肝酵素やγGTPという胆道系酵素などが上昇することをいいます。
肝臓は沈黙の臓器といわれるように、なかなか自覚症状が出現しにくい臓器です。症状出現時には病気が進行しているようなことがあります。
皮膚や眼球が黄色くなる黄疸や肝機能悪化による倦怠感や疲労感などが主な症状です。
さらに進行すると腹水貯留による腹部膨満などが出現します。
肝機能障害の原因は?
肝細胞は、アルコールや炎症などで長期間ダメージをうけると、正常な肝細胞は少しずつ減り、傷跡として線維化した領域が増え続けていきます。
肝疾患は、原因がなんであっても、病態が慢性に進行すると肝硬変になり、肝不全を引き起こします。ただし、肝硬変になるスピードは肝細胞の壊れ方によって異なります。
例えば、C型肝炎のように20~30年かかって徐々に肝硬変に向かっていく場合もあります。肝硬変ではありませんが、劇症肝炎などは肝臓が一気に壊れて1~2週間で死亡したりすることもあります。
アルコールを飲んでいなくても、肥満の人は肝機能障害を認めることが多く、糖尿病、高血圧、脂質異常症を合併している人ではその傾向が強く見られます。
① ウイルス性肝炎
ウイルスが肝臓に感染して炎症が起こる疾患です。
肝炎を引き起こすウイルスには主にA型、B型、C型、E型の4種類がありますが、B型肝炎ウイルス(HBV)又はC型肝炎ウイルス(HCV)の場合がほとんどです。
HBVは輸血や出産、覚せい剤んどの注射針の使いまわし、性行為によって感染します。またHCVにおいては、輸血や血液製剤、入れ墨によって感染します。
② アルコール性
長期間にわたり過剰な飲酒をすることで肝臓に障害が起こる疾患です。
エタノールを1日に男性は30g以上(ビール750ml、日本酒1合半相当)、女性は20g以上摂取すると、アルコール性肝障害を起こすことがあります。
③ 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
飲酒を全くしていない人、または少量しか飲まない人の肝臓に脂肪がたまる疾患です。
NAFLDのうちの10%~20%は進行性の脂肪肝である非アルコール脂肪性肝炎(NASH)が占めます。
多くの場合は肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病が原因となります。
④ 薬剤性肝障害
肝臓が薬の副作用の影響で肝機能障害が起こる疾患です。
原因となる薬は抗生物質や解熱鎮痛剤、抗精神病薬、抗がん剤の場合が多いです。
しかし、市販薬剤、漢方薬や健康食品、サプリメントなどの病院で処方される薬以外でも起こりえます。
⑤ 自己免疫性肝炎
免疫異常により、肝臓に炎症が起こる疾患です。
自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変、胆汁性硬化性胆管炎などがあります。上記の原因が除外されていることが必要です。
診断方法
- 血液検査
- 血液検査で肝機能、胆道系酵素、黄疸値などを測定し、各種ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎などの有無をチェックします。
- 腹部エコー検査
- 腹部エコー検査で肝臓がんや、胆汁うっ滞などの器質的なことが原因で肝機能異常が起こっていないかどうかを確認します。同時に、脂肪肝の所見がないかどうかも確認します。
治療方法
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