クローン病とは?

10歳~20歳代の若年発症の多い原因不明難治性の消化管炎症性疾患です。国の指定難病になっています。
潰瘍性大腸炎が主に大腸へ炎症が起こるのに対し、クローン病は消化管のあらゆる部位に、特に小腸や大腸粘膜や肛門を中心に慢性の炎症潰瘍を非連続性に形成します。

症状

腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などを伴います。

炎症が持続すると腸管に全層性潰瘍を形成し、瘻孔(消化管に穴が開く)や狭窄(通り道が狭くなる)、膿瘍(膿がたまる)ができます。肛門部では痔瘻や肛門部周囲膿瘍ができることがあります。
このため、しばしば外科的治療が必要とします。

診断

検査方法

①血液検査 炎症の程度、貧血の有無、栄養状態の評価

②感染性腸炎除外のために便培養やアメーバ抗体検査等

③画像検査

上部、下部消化管内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)

小腸内視鏡検査

カプセル小腸内視鏡検査

X線小腸二重造影検査、注腸検査

CT、MRI検査

画像検査で縦走潰瘍、敷石像があり、組織生検で病理学的に非乾酪性肉芽腫を証明できれば診断が確定します。
上記検査や臨床症状から活動度、重症度を判定します。

治療方法

原因不明の病気で国の指定難病の1つですが、適切な治療継続により症状が抑えられれば、健康な方とほとんど変わらない毎日を送ることが可能です。
ただし、症状によっては、難治のため手術を繰り返して食事摂取ができなくなることがごく稀にあります。
また、病気の治療が難航すると癌がでることがあります。

  • 薬物療法(5-ASA製剤、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤)
  • 血球成分除去療法
  • 栄養療法
  • 外科治療など

年齢や社会的な状況(学生なのか社会人なのか妊娠希望なのかなど)、病状や活動度に応じて治療を選択します。


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